◆DQ6If4sUjgの物語



第十話 ガールミーツボーイ

意識が朦朧とする。指一本動かせない。
糸が切れた操り人形のよう、っていうのはこういうことを言うんだろうか。

俺は今、どこにいるんだ?
俺は今、目を開けてるのか?
俺は今、目を閉じてるのか?
俺は今、呼吸をしてるのか?

どこか遠くから音が聞こえてくる。どうやら聴覚は正常らしい。
ばたばたばた、と何かがなだれ込むような音がした後、更に騒がしい、色とりどりの音が耳を刺激した。
肩のあたりを強く掴まれ、揺さぶられているのがわかる。
何だよ、もう。うるさいな……。

「おい、生きてるか!?」
「ミレーユ!」
「わかってるわ! キアリー! ベホイミ!」
「起きろ、タイチ!!」

あ―――?

「タイチ! よかった……」
「あぁ、おれ……、……ありゃ」

起き上がろうとするが上手くいかない。
二度目を試みようとしたところでミレーユが手を貸してくれ、壁に背中を預ける形で身体を起こすことができた。
あの身体全部を蝕むような感覚が消えている。
両手を開いたり閉じたりするのに合わせて、むーすぅんーでーひーらーいぃて、と口ずさんでみた。
まったく問題ない。
どうなってんだ……? さっきまであんなに苦しかったのに。

「キアリーよ。解毒の呪文」

ああ、そういえば……グランマーズの家で修行してた時に、
そういう呪文があるって教えてもらったっけ。便利な呪文もあるもんだ。
と、不意にミレーユが後ろを振り返った。
俺も釣られてそちらに目をやるが、そこには動かなくなったゾンビたち以外、何もいない。

「ミレーユ? どうしたんだ?」
「……いいえ、何でもないわ」

何だろう……まあいいか。

ああ、解毒の呪文かぁ。
俺の世界にもあれば、せっかくうまいもん食ったのに死んじゃう人もぐっと減るだろうに。
ほらあれ、なんだっけ。フグ……そう、フグ鯨とかさ。あれ食うためなら死んでもいいって人いるみたいだし。
って、違う。あれは漫画の中の食い物じゃないか。

……俺、まだぼうっとしてるな。
霧を振り払うように頭を振ってみる。
晴れない。
決してミレーユを疑うわけじゃないけど、まだ毒が残ってるんじゃないだろうか。

「実は俺もあいつらの猛毒喰らっちまったんだけどよ。
まあ確かに苦しいし、体力削られたんだが……。
タイチみたいにいきなりぶっ倒れるとまではいかなかったんだよな」

同じ毒を受けたのに? この違いは何だ。アレルギー反応とかいうやつだろうか。

「考えられるとしたら……そうだな、タイチは別の世界から来ただろ?
だから俺たちと違って、耐性がないのかもしれない」
「……何度か喰らえば、俺も耐性つくかな?」
「だめよ、そんなことしちゃ。危ないわ」
「ま、毒なんて受けなきゃいい話さ。俺たちだってついてr……いや」

言いかけて、ハッサンは首を振る。
そしてやたら神妙な顔で俺に向き直ると、がばりと頭を下げた。
ちょちょちょちょっと、いきなりどうしたんだよ!?

「タイチ! すぐ助けに行けなくてすまなかった!」
「……本当にすまない。マヌーサがかかっていたとはいえ、
いきなり一匹を任せるなんて、俺もどうかしてたよ。俺かハッサンのどっちかがつくべきだった」
「ごめんなさい……」

なんてことだ。
ボッツはわざわざ立ち上がって深々と頭を下げ、ミレーユもしゅんと小さくなっている。
ハッサンなんてほぼ土下座に近い格好だ。
や、やめてくれよそういうの! 俺もちょっと興奮してて油断してたし!
逆上しちまったけど、あいつの言うとおり、俺が……弱かっただけの話なんだからさ。
これからもっと強くなれるように頑張るから、ボッツたちが気に病む必要はないから……だから、顔を上げてくれよ。何か、その、困るだろ。
とにかくボッツ、お前座れ! きっちり90°のお礼なんかしてるとマジで王子に見えてきちゃうぞ!

「う……」

うん、やっぱりこいつを黙らせるには王子ネタだな。大人しく顔を上げて座りやがった。
続いて、ミレーユとハッサンも顔を上げてくれた。
ありがとう、なんて言われたけど、知ったこっちゃない。だいたいお礼を言うのはこっちだっつうの。
それにしても――――俺はようやくはっきりしてきた頭をもたげ、右手を見下ろした。

ギラ。
グランマーズの家で修行してた時、何とか覚えられたただひとつの呪文だ。
人によって覚えられる呪文は違うらしく、メラ、ヒャド、バギ、ギラと試してみて、
俺が素質ありと判断されたのがギラだった。
毎日精魂尽き果てるまで練習して、何とかモノにしたものの、肝心の威力はまあまあ、といった感じだったはずだ。

「さっきのギラ、明らかに普通の威力じゃなかったよな?」
「火事場の馬鹿力ってやつかねえ」
「そうね……呪文の強さは、本人の資質によって多少変動はするけれど、それほど大きく変化しないはずよ」
「やっぱさ、追い詰められたことで俺の隠された力が覚醒したとかじゃないかな」
「ふふ、どうかしら」

いーや、十分あり得る。
漫画とかなんかじゃお約束だしな。イヤボーンっていうんだっけ?
いやあ、俺もまさかイヤボーンする日が来るとはなぁ。中二心をくすぐられるなぁ。

「ったく、こいつ調子に乗ってやがるな。まあいいや、このまま少し休憩したら出発しようぜ」
「ああ」

ちょっ、何か冷たくない? もうちょっと乗ってきてくれてもよくない?





こんにちは、あたしバーバラ! 花も恥じらう1〇歳よ。
……なんでそこ伏せるのかって?
やだっ、女の子の年齢追及するなんてモテないわよ!

……ホントはね、あたしにもわからないの。
気がついたら知らない町にいて、覚えてることといったら自分の名前くらい。
記憶喪失ってやつみたい。
なんでか体が透けてるせいで、誰に話しかけても気がついてもらえないし、
もうこれからどうしようって時に、ラーの鏡の噂を聞いたの。その鏡、真実を映すんだって。
鏡にすら映らない今のあたしでも、もしかしたらラーの鏡になら映るかもしれない!
あわよくば身体を取り戻せるかも……。
そう思って、魔物から逃げつつ月鏡の塔へ向かったの。
んもう、なんであいつらにはあたしが見えるのかしら? 魔物になんか気づいてもらえたって全然嬉しくないわ!

そんなわけで、何とか目的の場所には無事辿り着けたんだけど……。

「!! タイチーっ!!」
「ちくしょう! てめえら、どきやがれっ!!」

どうも先客がいたみたいで、しかもここの主っぽい魔物と戦ってたの。
腐った死体をずっとずーっと強くしたようなのが三匹!
たとえ一匹でも、きっとあたし一人じゃ太刀打ちできなさそうな相手だったわ。
そいつらと戦ってたのは四人組のパーティだった。四対三なんだから勝ち目は十分……そう思うでしょ?
だけど、一人で戦ってたらしい男の人は既に動けなくなってて、
今にもとどめを刺されそうになってた。
仲間の人たちは目の前の敵が邪魔で助けに入れそうもない。
あたしも頭が真っ白になっちゃって―――気がついた時には、もうメラを撃っちゃった後だった。

凝縮された小さな火の玉が着弾する寸前、男の人の手から閃光がほとばしった。
ギラだって! あたしだってまだ覚えてないのに!
……忘れてるだけで、本当は使えるのかな?

ともかく、男の人が放ったギラは、なんとあたしのメラとまぜこぜになって――――魔物の首から上と、腕をあっという間に焼き尽くしちゃった。
残りを片付けた仲間の人たちが男の人の元に駆け寄っていく。
……あ、キアリーかけてる。これであの男の人も助かるかな。
ようし……。

あたしは彼らの背後を足音が立たないようにそうっと走り抜けた。
大丈夫だよね。たとえ気づかれても気のせいで片付けられる……はず。

「? ……」
「ミレーユ? どうしたんだ?」
「……いいえ、何でもないわ」

ほらね。
あの人たちの目的もあたしと同じ、ラーの鏡に決まってる。
先を越されたらおしまいだわ。急がなくっちゃ!

―――けれど、その十数分後。
あたしはまたもや途方に暮れていた。

もうっ、何なのこの塔は!
何だか作りがややこしいし、ちょっと歩いただけで魔物は出るし、もうやんなっちゃう!
あーあ、ちょっと休憩しようっと。相変わらず何も映らない鏡の前に、あたしはぺたりと座り込んだ。

……それにしても、さっきのは何だったんだろう?
まさか一発であんな魔物を倒せちゃうなんて!
すごかったなぁ……思い出すだけで胸がドキドキしちゃう。
偶然なんかじゃなくて、もしも、もしもちゃんと使えるようになったら――――あ、だめ。
それにはまずこの体をどうにかしなくちゃいけないんだ。
はぁ……あたし、一生このままなのかなあ。

「ねえ、君」
「ひゃっ!?」

顔を上げると、ツンツン頭の男の子があたしを見下ろしていた。
え? え? 今、あたしに声をかけたの?
思わずきょろきょろと辺りを見回したけれど、この場にはあたしと男の子を始めとした四人しかいない。
って、いうことは……!

「あ、あたしが見えるの?」
「うん」

何のためらいも遠慮もなく、男の子は頷いた。

こっちを見てる。
返事をしてくれた。

――――あたし、あたし、人とお話してる!
どうしよう、飛び上がるくらい嬉しい!
意思の疎通ができる! 会話ができる!
たったこれだけのことがこんなに嬉しいなんて!

「やっと見つけたわ! あたしの姿が見える人を!
みんな見えないみたいで話しかけても返事もなくて……。ホント寂しかったわよ」

もうホント、寂しすぎて死にそうだったんだから。
でもこの人たち、どうしてあたしのことが見えるんだろう?
町中駆けずり回っても気づく人なんていなかったのに。
……あれ、なんで照れくさそうに笑ってるの?

「あの……手」
「えっ? ……あっ、ご、ごめんなさいっ!」

あたしったら、いつの間にか男の子の手を握っちゃってたみたい。
や、やだな、変な子だと思われてないかな。
あ、この人、よく見ると結構かっこいいかも……って、違う違う! わ、話題変えよう!

「ほ、ほらっ。鏡にもあたし映らないのよ。イヤになっちゃうよね」

そう言って、鏡の前で一回転してみせる。
男の子たちは向こうの景色が見えちゃってるあたしを見ても、
ちっとも驚く素振りを見せない。まるで見慣れてるという風に。
もしかして、あたし以外にも身体が透けちゃってる人って、結構いるのかな。

「でも人のウワサ話くらいは聞けたから、この塔のこと、ラーの鏡のこと知ったんだ。
ラーの鏡になら、あたし映るかもしれないって。
それでここまで来たけど、この塔ややこしくて、もうイヤって感じよね。
でもあなたたちに会えてよかったわ。上まで行くつもりでしょ。あたしもついていこうっと!」

人と話すのは久しぶりだったせいか、会話できるってわかったとたん、
立て板に水を流すように一気にまくし立ててしまった。
男の子があっけに取られてるし、女の人も少しびっくりした顔であたしを見ている。
うう、しかたないじゃない。本当に久しぶりだったんだもん。

「おいおい、ずいぶん強引なヤツだな」
「何よ、いいじゃない。あたし、ずっと寂しかったんだから」
「まあそれには同情するけどよ……。どうするボッツ?」
「え、えーっと……」
「こんなところに一人残していくわけにはいかないわ。とにかく連れていきましょう」
「やった! ありがとう!」

いい人たちでよかった! ……っと、いけない。

「まだあたしの名前を言ってなかったね。バーバラっていうの」
「バーバラか。俺はボッツ」
「ハッサンだ」
「ミレーユよ。よろしくね」
「えっと……タイチ」

なるほどね。
ツンツン頭がボッツ、モヒカンの人がハッサン、女の人がミレーユ、それから……。

「あなた、タイチっていうのね。
さっきはどうなるかと思ったけど、元気になってよかったわね!」
「えっ?」
「……あ!」

いっけない、つい口が滑っちゃった。
でもまあいっか、別に隠すようなことでもないよね。
あたしは塔に着いた時に戦うみんなを見かけてたこと、タイチの手助けをしたことを正直に話した。
すると、神妙に聞いていたはずのボッツとハッサンとミレーユの顔がみるみる
「ああ、そういうことだったのか」といった納得の表情に変わり、タイチに視線を集中させた。
当の彼はがっくりと肩を落としている。
あれ? あたし、何かまずいこと言った?

「マジで? 俺の隠された実力とかじゃないの?」
「なんていうか……気を落とさないで、タイチ」
「わっはっは! そんなこったろうと思ったぜ!」
「くっそ〜……なんだよ、喜んで損した!」

ああ、そういうこと。勘違いしちゃったのね。
ふふふ、なんかこの人面白いなぁ。
あのメラとギラの練習、お願いすれば付き合ってくれるかも。

「それはそうと、バーバラ。
あなたもきっと上の世界から来たのよね? 戻り方はわかる?」
「え、えっと……あたし……
どうしてこんなことになったか、なんにも思い出せなくて……」
「まあ……そうだったのね。つらかったでしょう」

ミレーユが優しく肩を撫でてくれる。うん……。ホント寂しかったよ。

あれ、何だか急に静かになったような。
ふと顔を上げると、みんな揃って眉を八の字に下げていた。
ミレーユは柔らかく微笑んでくれてるけど、
ボッツはうつむいちゃってるし、ハッサンは気まずそうに頬をかいてるし、
タイチは何だか落ち着かなさそうにしてるし……。
あ、やだ! あたしが変な話しちゃったから!

「あ、ごめん。邪魔をしちゃったね。さあ、しゅっぱーつ!」

わざと明るい声をあげて、パーティの先に立って歩き出してみる。
すると、みんなの足音がどたどたと音を立てて慌てて追いかけてきた。
背後から「ひとりで行くなよ!」と咎める声が聞こえてきたけど、
それには責める調子はまったく無くて、むしろ親しみを感じた。

えへへっ、一緒に歩く人がいるっていいなあ!





あー、もうっ!
ホントにここの塔、ややこしいったらありゃしない!

目には見えないのに鏡には映ってる階段とか、鏡の前から移動したら割れちゃう水晶玉とかはまだいいわよ。
でも、塔って普通登るものでしょ? お宝っていったら普通一番上にあるものでしょ?
なのに部屋が降ってくるなんて! めちゃくちゃにも程があるわ。
タイチもあたしと同じ心境なのか、顔が引きつってしまっている。
「ファンタジーもここまで極まると……」とか何とかぶつぶつ言ってるけど、ファンタジーって何かしら?
まあいいや、きっとあの部屋にラーの鏡があるのよねっ!
逸る心に急かされながら下まで降りて、扉も何もない、小さな部屋に足を踏み入れる。
他の部屋となんら変わらない内装。
けれど、小さな階段を視線だけで登ってみると、人の顔より一回り大きいくらいの大きさの鏡が奉られていたのを見つけることができた。

「あったわ! これがラーの鏡よね!」

横取りされるはずもないのに、あたしは誰よりも早く階段を駆け上り、ラーの鏡の前に陣取った。
楕円型の鏡の周りには金の装飾が施されていて、細かい模様を見ているだけで目がチカチカしちゃいそう。
備え付けられている燭台の炎の灯りに照らされて光るラーの鏡は、目的を忘れて見とれちゃいそうになるほどきれいだった。

ああ、ドキドキする。……もし映らなかったらどうしよう。
ううん、大丈夫! これは真実を映す鏡なんだもの。
あたしは恐る恐る膝を曲げ、ラーの鏡を覗き込んでみた。
すると――――

「……映る! 映るわ! この鏡には あたしの姿が映るよ! 思った通りだわ」

鏡の中には、オレンジ色の髪の毛をひとつに束ねた女の子――――
あたしの姿がしっかりと映り込んでいた!
ああ、よかったぁ! これであたし……、…………。

「…………でもそれだけよね。
この鏡にだけ映ったって、みんなにはあたしの姿が見えないまま……」

ラーの鏡はあたしの姿を映すだけで、それ以上は何もしてくれない。
あたしの身体の色を取り戻してはくれない。
うつむくと、縛ってる髪が流れて頬に触れた。

あたしは喋れる。痛みも感じる。喉も渇くし、お腹が空けば物だって食べられる。
あたしは今ここに、しっかりと生きている。
なのにどうしてみんなには見えないんだろう。おかしいよ、こんなの。わけわかんないよ。
ボッツたちに気づいてもらえたのはすごく嬉しかった。
けど、あたし、もっとたくさんの人とお話したい。
鏡にすら映らない、誰にも相手にされない生活なんてイヤ。
そう思うのは贅沢なのかな……?

「バーバラ」

ボッツ? なに……きゃっ! つ、冷たいっ! 何するのよおっ!
……え? 何これ? あたしの身体、きらきら光ってる!? やだ、まぶしっ……。
思わず手で目を覆おうとしたけれど、全身が光ってるんだから意味がない。
それならば、と目を閉じる。それでもまぶたの裏が明るかった。

少ししてから、そうっと目を開けると……カラシ色の手袋が見えた。あたしのだ。
えっ? えっ? まさか!

ぱっと右手を掲げてみる。
向こうの景色が見えない――――あたし、透けてない!
ボッツたちを振り返ると、みんなニコニコと笑顔を浮かべていた。
もしかして、さっきふりかけられた水って……!

「こんなことできるなら、もっと早くしてくれたらよかったのに。意地悪ね」
「ごめん。俺も、ラーの鏡に映るのかちょっと興味あったからさ」
「もうっ! ……でもよかった。これで誰とでもお話ができるわ。さて……と。じゃあ、あたしはこれで」

目的達成! もうこんなめちゃくちゃな塔には用は無いわ!
あたしは階段を一段飛ばしで駆け下り、みんなの間を縫って部屋の外に出た。
そうよ、一秒でも早くここを出て……、……あれ?

……と思ったけど、あたしこれからどうしたらいいのかしら?
記憶がないんだから、どこに帰ればいいのかわからない。
どうしてこんな目に遭うはめになったのか、そもそも自分が何者かもわからないのよね。
あたしはくるりと振り返り、こっちをぽかんと見ていたボッツたちをじーっと見つめてみた。

「う〜ん……。見たところ、あなたたち悪い人じゃなさそうよね」

ハッサンはぱっと見ちょっと怖そうだけど結構頼れるし、ミレーユはすっごく優しい。
タイチは普通の人って感じ。けど、ちょっと不思議な雰囲気よね。
ボッツは……えへへ。

「そうね。しばらくはあなたたちについて行くことにするわ。いいでしょ?」
「ええ? ずいぶん強引なヤツだな。まっ、俺も人のことを言えないけどな。
どうするボッツ? この娘を連れていくかい?」
「まあ……いいんじゃないかな。ここで会えたのも何かの縁だし」
「そうこなくっちゃ!今日からはあたしも仲間よ。よろしくねっ」

ひとりひとりと握手を交わす。
ボッツの時だけちょっと緊張しちゃったのはヒミツだよ。

ハッサンの言う通り、ちょっと強引なやり方で
仲間になっちゃったけど、まあこういうのもアリよね?
ボッツたちがいなかったら、きっとあたし、まだ半透明のままだったもの。
恩返ししなくっちゃね!


 *バーバラが仲間にくわわった!



タイチ
レベル:9
HP:60/71
MP:20/24
装備:ブロンズナイフ
    くさりかたびら
    けがわのフード
特技:とびかかり


「……今回、俺のステータスいらなくね?」

そうかも。