修士◆B1E4/CxiTwの物語



【かの森から】 [5]

静かな緑の森の陰から 男は世界を垣間見た
何も知らぬその世界 男は何を忘れたか

森を抜け目に見た草原 小さく聞こえる宙の音
それは男が感じたもの または男が求めた安らぎなのか

空と海と大地と己 果てぬ思いは永遠に
知らぬ世界の森を発ち 男は世界を知り尽くす

己を名乗るも憚れる 世界の理奥深く
彼の無能を唯見るが如く 大なる存在そこにあり
大なる存在その中に 男は矮小に映りたし

男は目指した 記憶の果て
男は目指した 人たる者の希望の頂
人が幾度も目指しつつ 終に足折れたその先を

あぁ何処へ 招かれざるものよ
あぁ何処か 男の心は 勇気の心は

HP ???/???
MP ???/???
<どうぐ>携帯(F900i) E:パジャマ



読み方注:「彼の かの」「聳える そびえる」「燦々たる さんさん」
「鬱蒼 うっそう」「一頻り ひとしきり」「亘る わたる」
「宙 そら」「憚れる はばかれる」「矮小 わいしょう」
「終に ついに」「何処 いずこ」