修士◆B1E4/CxiTwの物語



【宿屋と、酒場と、】 [3]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・宿での朝食後、部屋にオキュロさんが来た。王様からの通達らしい。
この城壁の中には、ファン・・・・何とかという名前の学校があるらしいのだが、
内部の指導者の中に、僕に会わせたい人がいるらしい。
学校の施設も案内するらしい。また後で来るので、そのとき出発すると言われた。


・・・・・・・・・・・・どれくらい待っただろう。再びオキュロさんが宿を訪れる。
準備万端の僕は、オキュロさんの馬に乗せてもらい、ジークさんに見送ってもらう。
今日はここから、ジークさんと別行動。とても淋しいが、我侭は言っていられない。

馬は、中央の大通りを城に向かって駆け・・・・・しばらくすると左に曲がり、
ずらずらといびつに立ち並ぶ建物や、公園のような広場の横を抜け・・・・・・
途中、多くの人たち・・・・子供たちと一瞬すれ違い・・・・・・


僕らは、自分の背と同じ程の高さの柵の前に出る。
僕とオキュロさんはそこで降りる。

すぐ横には、柵と同じ素材の門があり、両脇には鎧を付けた兵・・・・・ではなく、
体に紫色のローブを羽織った一組の男女が立ち、こちらを見ている。
そして門の上には、柵や門と同じ素材だろうか、草が絡み合ったような装飾の
細いアーチ型の造形が、平たい面をこちらに向けている。

その平面上には、造形と同じ円弧のプレートが、上下に二枚掛けられている。
上のプレートには・・・・・『国家人材養成舎 ファン・モール学園』
下のプレートには・・・・・『魔術課程 実践修練地区』、と記されている。


オキュ「通達が来ていると思うが、本日こちらを訪問する予定の客人をお連れした。
    私は四番隊、商工地区課、オキュロ。階級は小隊長、称号はアーツ。
    こちらのお方はアーシュと申す。この方の名で予約があるはずだが」
男「遠い地区からありがとうございます。今、確認します」

男性が手持ちの、ボードのような木板を見る。

男「アーシュ様・・・・・・・・はい、確認しました。
  アクデン先生とお会いになったのち、学園の案内ですね。
  場所は・・・・A401・・・執務室ですか。では、そちらまでご案内致します」
女「どうぞ、こちらです」

女性が門を鍵で開け、中に入る。僕も入

オキュ「アーシュ、私の案内はここまでだ。時間もかかるし、帰りは学園側が手配する」
僕「え、・・・・そうですか。わかりました。ここまでありがとうございました」

一人ぼっちだが・・・・仕方ない。オキュロさんは一人、馬で道を戻ってゆく。


僕は一人、門の中に入る。・・・・中には広場のような庭園が広がっており、
目立たない程度に、木々があちこちに植えられている。
庭園の中は、舗装された道が何本も、どこまでも、どこかへ続いている。

遠くには建物がいくつもあるようだ。また、僕の視界の右遠くには、
城の前で見たときより近くに、林か、あるいは森が見える。
僕の正面には、僕の知る四階建てより二回りくらい大きい、四階建ての建物が建つ。

僕と案内の女性は、この建物の左側にある、大きく立派な扉まで進む。
扉の横に、ローブを羽織る男性が二人。女性が目的を告げると、扉を開けてくれる。
この扉の上にもプレートが掲げられており、『総合舎』、と読める。

入ると正面に、幅のある階上への階段があり、僕らはそこを上る。
二階、三階・・・・・・・・・階段といい天井といい、内部もスケールが大きい。
自分の体が縮んでしまったのか、と感じてしまう。

・・・・・・・ふと、四階への階段の真ん中、中階の壁に設置された鏡に、
先頭の女性の顔が映っているのに気づく。
門のところでは気づかなかったが、彼女はまだ高校生くらいの顔立ちだ。
学園・・・・・ここの生徒さんだろうか。女と男が同じ制服とは、面白い。


四階の廊下を右に直進し、また大きな扉に突き当たる。長方形の普通の扉だが、
左右の人間―――今度は兵士たち―――の倍くらいの高さ。幅もかなりある。

女「ここが執務室でございます。
  お客人のアーシュ様をお連れしました。お取次ぎ願います」
兵士3「了解した。暫し待て」

右の兵士が小さく扉を開け、中に入る。・・・・・・・・・少し後、また出てくる。

兵士3「了解を得た。入るがよい」
女「ありがとうございます。ではアーシュ様、私はここで失礼致します」
僕「あ、どうも、ありがとうございました」

女性が軽く一礼し、戻っていく。僕は見送りもそこそこに、中に入る。
そして、目の前にいるであろう人に挨拶を・・・・
!!!



・・・・・・紫、ピンク、肌は・・・・・巨大な腹・・・・細かく振動する・・・・翼か
・・・・・それは間違いなく、生きているモノ・・・・
僕は・・・・・・・・・目が・・・・動かなく・・・・・・・

?「迷える旅人よ。ようこそ、世界最大教育機関 ファン・モール学園へ」


あ、あ、悪夢だ、いや、悪魔だ・・・・・・・・・。
母さん、先生・・・・・・・・・・・僕は恐ろしい世界に来てしまったようです。


アーシュ
HP 13/13
MP  0/0
<どうぐ>携帯(F900i)E:エリモスの服 革の靴