修士◆B1E4/CxiTwの物語



【ワークギルド】 [3]

――――――――レオ王国議事堂 第6小会議場―――――――

昼食を兼ねた一室の集まり。どよめきが今、その場を巡っている。
10人ほどの、貴族のような議会服の面々の集うこの場で、
ダシュム=オルドーはアーシュに関することを説明したばかり。
両隣にはアクデンと、肩に勲章を携えた、白髪混じりの頭髪の人間が座る。

ダシュ「昨日、陛下は帰還方法の調査を指示し、森の探索にも同意した。
    私は、探索は空き地周辺を主とし、小隊で行うことを考えている。

    一般兵に馬を与え、移動は迅速に。
    士気の低下を防ぐため、遠方出身の兵を集めたい。
    探索にはアーシュも同行する。
    アーシュへの協力、森林内部への派兵。この二点を了承していただきたい」

・・・・・・・・・・・・・・・・

?「驚くばかりの話だが・・・・・アクデン殿のお墨付きなら本当だろう」

四角く、気難しそうな顔の人間の男が答え、周りも同調する。

?「ならば本題は、探索と派遣する兵のことですね」

中年には届かない、青髪の人間の男が意見を述べる。

?「小隊全員分の馬など、確保できるのか?」
?「続けて悪いですが、森の調査期間は、どれくらいでしょう?」

初老のホビット族の男と、年相応の化粧を施した、壮年の紅一点の人間が述べる。

ダシュ「特使訪問に際し、警備の馬の数を増やしているので、余裕はある。
    調査期間だが、アーシュは森の中を彷徨い、かなりの間、歩き続けたという。
    目的地まで導ける自信はないそうだ。
    目的地の探索を2、3日として、数日は森の中に留まるだろう」

?「で、では、・・・・・・・・・都合10日ほどですか」

端正な顔立ち、中年の、黒髪のダークエルフの男が、おどおどと話す。

?「調査が長期化した場合、特使の警護に影響は?ダーラー卿、国防大臣として意見は?」

再び、四角い顔の男が意見を述べる。
それを受け、ダシュムの隣で沈黙していた男が、ゆったりと話し出す。

ダーラ「大隊ならともかく、小隊規模なら、影響は皆無かと。
    ダシュム大臣とも意見は一致しております」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

?「ええ、と・・・・・・私はこれまでのところ、意義はありません。
  今日は、細かい議論は後回しにして、提案二点に絞り、決を採りませんか?」

ダークエルフの男が再び意見を述べる。
異議はなく、話は、提案された二点に絞られる。そして・・・・・・・

?「・・・・・・私は依存ありません。治安の面に問題がなければ、よろしいですわ」
?「私も構わん。しかし・・・・・異世界か。いやはや、長生きはするものだなぁ」
?「異議なし! 陛下の決定に私は従う」

驚きと冷静な思考を孕んだ討論の末、二点の提案は承認された。


―――――――――中央図書館――――――――――

?「―――――です。では、よろしくお願いします」
僕「はい」

ふくよかなおばちゃん職員が、『清掃中』の札を扉に掛け、去ってゆく。
ここは地下2階。『ノンフィクション 第三書庫』前。よくある講堂ほどの書庫だ。
地下でもこの辺りまでは、結構人が立ち入るらしい。

しかしこの図書館、地上より地下の方が広いというから驚きだ。
深く潜るにつれ、整理が追いつかない書庫も増え、また、驚くべきことだが、
閲覧自体が極めて危険な本も出てくるのだという。

読むと死ぬ本。
読むと発狂する本。
読むと中に体ごと封印される本。
本自体が生を持ち、読むと物語上の空想の魔物が襲ってくる本。

こういう本の潜む書庫は、魔法使いやその他「屈強な人間」か、
そういう同伴者がいる人でないと、入れないそうだ。
清掃や整理も彼らを中心に行うらしく、就労条件も厳しいらしい。

ホコリまみれの書庫に、僕は入る。
指示された中の引出しから、薄灰色の袋とはたき、雑巾を取り出し、
・・・・・スタート!


・・・・・・・・・・・・・―――――――――――――


――――――――――・・・・・・・・・約5時間後。「宿屋のトーヤ」

僕「体が・・・・痛い。掃除って、こんなに疲れたっけ・・・・・・・・・・」

僕はベッドに横たわっている。
この程度の仕事、と思っていたが、緊張からだろうか、疲れを感じている。

本を読む?何それ。

その日の僕は、宿の夕食もそこそこに、寝た。


アーシュ
HP 13/13
MP 0/0
<どうぐ>携帯(F900i)E:エリモスの服 革の靴

ダーラー=トメイ
HP 220/220
MP  83/83
<どうぐ>E:青刃流星刀 ゴディアスの剣
<呪文>バイキルト
<特技>剣の舞