修士◆B1E4/CxiTwの物語



【古えの賢者トートの功績とその事実】 [4]

―――――数日後 ガーデンブルグ北東 プリスケル領―――――

北の山から戻り、城勤め生活に戻ったプトマのその弟子たち。
ある日、領主からプトマに宛てた手紙が、彼らの居住区に届く。

一人読んだプトマは、その日の夕食時、三人の弟子を前に語り出す。

プトマ「近々この辺りに、御忍びでクリフト様がお越しになさるそうじゃ。
    急な話だがの。また、北の洞穴の書庫を視察したいとか。
    世界最多の無名書を持つ我が国へとは・・・・・初心に帰られたのかの。

    あるいは・・・・・・三年前こちらで見つかった無名書のことかの。
    当時、わが国の精鋭たちがあらかた調べつくしたものじゃがな。
    年老いても持つそのお心、いやはや、見習いたいの」

ハルサ「・・・・・・・・・・」

首元まで伸びた黒髪が光るその顔は、師匠の話を聞き、
他の二人に合わせるように、戸惑いの面を浮かべていた。


―――――――――魔界―――――――――

ここは、かつて魔物が地上に侵攻した際、輝いていた、
地下深くに広がる世界。

美しき赤の海。
海の波間から空中へ、地上の海より雄々しい海竜の群れが
頭を突き出し動き回る姿が見受けられる。

赤き海に照らされた、赤き大地。
大陸北のキングキャッスルの上空には、魔族の王ピサロが作った光球が浮かび、
その白光の下で緑の大地が、地上と変わらず育つ。


「きゅーほー!きゅーほー!」

大陸南部。魔物の集落の上空に、北の空から、
小さな悪魔ミニデーモンが、声を張り上げ近づいてくる。

「・・・・ミニモン? ロザリー様御付きの従者が何の用だ?」
「おい、まさか・・・・・」

やがて集落の広場に、息を切らせた緑の体が舞い降りる。
その只ならぬ様子に、のそりのそりと集まる魔物ら。
何事か聞く声、いつもどおり彼をからかう粗野な声。
ゼェ、ゼェと、頭を垂れ、肩を揺らす彼に向くのは、地上と変わらぬもの。

やがて、疲れきった彼の口がようやく開く。

ミニモ「急報だ!
    我等の王ピサロ様が、お亡くなりになられた!」


アーシュ
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