修士◆B1E4/CxiTwの物語



【レオ王国国王 シルバーレオ】 [3]

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王の間から、三人が出てゆきます。それを見送る謁見の間の人々。
横に控える先程の大臣が、早速王様に近寄ります。
釘を刺すようなその眼光。さっきとは雰囲気が違いますね。

大臣「陛下。何やらおかしなことになってきましたな」
シルバ「・・・・・・・・・・・・」
大臣「容易く(たやすく)信じてはなりますまい。そうは思われませぬか?」

シルバ「・・・・・・・・・面白いとは思っている。それに、その昔、マーニャ様・ミネア様や
    クリフト殿がご一緒した勇者様の旅でも、不思議なことは多々あったではないか」
大臣「仰る通りでございます。ただ陛下、わたくしめの頭を過(よ)ぎりましたことを、
   陛下のお耳に入れとうございまして」
シルバ「・・・・何か」

大臣「今の若者、・・・・・・山師かもしれません。
   陛下に取り入り、陛下の後ろ盾で好き勝手するやもし
シルバ「私の残りの任期はまだ10年以上ある。そんな輩がいてもおかしくはない。
    だがそれくらいのこと、私も心得ておるわ。忠告するほどのことでもない。
    ・・・・・・・・他にもあるのではないか? わざわざ私に忠告をする理由が」

大臣「・・・・・・・あの盗賊共のことでございます」

場の空気が一気に凍りつきます。
世界に名だたるこの国において、南部に繋がる主要道に陣取る盗賊共は悩みの種。
過敏に反応するのも仕方のないことなのです。

シルバ「ふふ。やはりそれか。・・・・・あそこから盗賊が消えたと言われ、久しい。
    そなたの言いたいこととはこうか・・・・・・・あの者はスパイであると?」
大臣「・・・・・・・・・・・・・」

シルバ「あの服は?」
大臣「かつて公家の方を襲ったときに奪ったものかもしれません。いわゆる戦利品です」
シルバ「だが公家の靴は履いてなかったぞ」
大臣「ただの演出かと」

シルバ「我々の近くに居座る危険を冒して、今更何を知ろうというのだ?
    我々が得ている彼らの情報を、仲間たちに伝えるためか?」
大臣「その可能性が最も高いかと。また、各地の防衛情報も引き出すつもりかもしれませぬ」



シルバ「・・・・・・・・・・・・ふふふ。なるほど。
    だが、もし本当に、我らの世界の外に更なる世界があり、あの若者が
    そこから望まないままに来たのであれば、これほど困ったことはないであろう。
    私はあの、けーたいとかいう物から、我々と根本から異なる世界を感じたのだ」
大臣「確かに・・・・このわたくしもあのようなものは・・・・」

シルバ「そこでだ! 彼をここの学校のアクデン先生に会わせようではないか。案内の名目で。
    そなたも忘れたか? あの方ならば人間一人の嘘など、瞬く間に見破ってしまうわ。
    私の子供の時分の悪戯を一瞬で見破るくらいだからなぁ。ふふふふ。

    先生には案内の最初に会わせるようにしよう。
    もしもの場合でも、余計な時間を先生に取らせずに済む。
    この方法なら、不思議な客人に対する丁重なもてなしにもなるし、
    良からぬ者であれば、たちどころにわかるだろうて。逃がさぬぞ」

国王の思いがけない提案に、大臣は唸ります。
でもこれなら、彼が誰であれ『丁重に』もてなすことができるでしょう。

こうして、謁見の間の会議は終わったのです。


アーシュ
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