修士◆B1E4/CxiTwの物語
【だれかいませんか?】 [3]
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ようやく丘の斜面を正面に向かえる。
丘のこちら側は、頂上へ向かう緩やかな斜面で構成されている。
頂上がこれまたかなり高い。右手の森を軽く見下ろしてる。
そのとき、森の中と同様に色彩に気を取られる。
空の色が夕焼けに近づいているのに気づく。
ええと・・・森の中でかなり歩いたし、そろそろそんな時間かも。
時間は・・・・・12時42分。結構歩いてたな。
分速60メートルとして、大体・・・・・2400mか。
確か地平線って、大体6km先まで見えるんだよな。
時刻どおりならどう考えても早すぎる夕焼けだし、
設定時間が本来の時刻より、かなり遅れてるんだろう。
・・・・あと・・・・・少し・・・・。
・・・・・・よし! 頂上だ・・・・・・・・!!
僕は発見する。
眼下に見える丘のこちら側は急斜面で、後ろの緩やかさとは大違いだ。
こっちにも平原があるが、取り巻く環境は大きく変化している。
正面奥には、階段のような段々で黄銅色の岩肌が聳え、
この岩肌は奥に向かい横幅が広がっている。
この部分を空から見れば、八の字みたいに見えるだろう。
岩山の根元から緑の平原につながり、岩山を囲むような上り傾斜が付いている。
あそこまでの距離は、ここから100・・・・・200m・・・もっとあるだろうか。
岩山の向こうの視界は塞がれている。また、この岩山があるために、
目の前の空間はちょうど左右に区切られている。
左の空間には平野と、その上を、丘の手前から続く川が流れ、
どちらも僕の目の見える限り、終わりなく地平線の彼方に続く。
視界の左端には、平野と海の境界線のようなものが微かに見える。
右の空間にも、奥に広がる平野が続いている。
空間内の右側には丘の前後を貫くあの森が見え、その背には大山脈が見えるが、
ここで遂に、森が次第に山脈面に張り付くようにその幅を狭め、
減衰するように終端を迎えている。
大山脈はまだ地平線の彼方に続き、その端は僕の目では確認できない。
そんな空間の中、僕が発見したもの。
大山脈と岩山に挟まれた右の平野と、
海岸線と岩山に挟まれた左の平野を繋ぐ、
緑の大地の上に刻まれた・・・・・・・道!!
右奥から岩山の前を通り、再び左奥に続く、緩い弧のような道を見つける!
そして・・・・・・・・あぁ、なんて・・・・なんてことだ・・・・
人の流れが生み出したと思しき(おぼしき)その薄茶土の道。
その上。四本足でなく、二本足で立ち・・・・歩いて・・・・
それは・・・・・・・・確かに・・・・
少しの間じっと見る。少しずつ、確実に、こちらに向かっている。
あぁ・・・・・それはそれは・・・・・・・・・
あれは・・・・!!!!
「うおおぉぉぉい!!!」
やった!
人だぁ!!!
自分の格好も足の怪我も忘れ、僕は走り出していた。
HP ???/???
MP ???/???
<どうぐ>携帯(F900i) E:パジャマ