修士◆B1E4/CxiTwの物語



【クリフトの話】 [4]

――――――――十数日後 港町ハバリア 第三港―――――――

目に余るほど巨大なサントハイム王国船団の、第2号艇の甲板。
威容さに圧倒され、僕は船の縁(へり)に手を乗せつつ、潮の臭い漂う中、
船や港で動き回る人や、空や前方の町並みを、ただ眺めている。
・・・・・・どうやら荷物の積み込みも終わり、出港準備は整いつつあるようだ。

なんでも、バーズさんは最初、僕の出国に反対していたそうだ。
最終的に、僕に文通の意思があることで妥協し、矛を収めたらしい。
僕の知識が軍事転用される可能性を気にしていたとか。

軍事転用なんてそんな心配・・・・・・・・いや、・・・・・・・まぁ大丈夫さ、きっと。


?「名残惜しいかね」
僕「あ、いえ。そういうのではないです」

青のローブを纏(まと)う初老の男性から声が掛かる。

?「はじめまして。クリフトの弟子のゾクといいます」
僕「あ、・・・・はい!はじめまして。クリフト先生のお招きで、
  この度サントハイムに同行することになった、アーシュと申します。
  どうぞよろしくお願い致します。・・・・・・・・ん?」
ゾク「? なにか?」

あれ?・・・・この人は・・・・・・・・・・・・・

僕「あの・・・クリフト先生が王様に挨拶に訪れたとき、
  先生の後ろにいませんでしたか?」
ゾク「えぇ、もちろん。・・・・・そうか、あの場にいたのか」

?「あぁ、ゾク先生! すみません。ちょっとよろしいですか?」
ゾク「ん? ああ、わかった。ではアーシュ君、失礼するよ」
僕「あ、はい。それでは」

男の人に促され、ゾクさんは船室に入ってゆく。そして、・・・・・



船員「錨(いかり)をあげーーーい」



ダシュムさんが言ってたっけ。君は旅人のようだ、って。
僕にはよくわからないけど。
でもそうだな、今、僕は旅人なんだ。この世界を訪れた。
僕は僕、アーシュ。今はただ、ただそれだけだ。

漕ぎ出すと表現するにはあまりにも不釣合いな、重々しい大船団の出航。
その片隅に、僕の姿は溶け込んでいった。


アーシュ
HP  14/14
MP   0/0
<どうぐ>携帯(F900i) E:エリモスの服 ルテールの靴

サイップ
HP 388/388
MP  10/10
<どうぐ>E:皮のこしまき
<とくぎ>せいけん突き きあいため ばくれつけん 痛恨の一撃

ゾク
HP 158/158
MP 148/148
<どうぐ>E:まほうの法衣
<呪文>ホイミ ベホイミ ザオラル ヒャダルコ ヒャダイン ピオリム ルーラ
<とくぎ>せいけん突き 岩石落とし かまいたち ばくれつけん うみどりの目