修士◆B1E4/CxiTwの物語



【世界怪奇伝承 [13]】

次は久しぶりに、勇者の仲間の物語に目を向けてみよう。

サントハイムといえば、200歳近い大賢者、
クリフトの住む地として、あまりにも有名だ。
かつて世界を震撼させた、魔界からの魔の手。
今では世界有数の国家であるこの国にも、かつてそれは襲い掛かった。


勇者が故郷を出発する少し前、当時まだ一介の神官であったクリフト、
神官長ブライ、そして、後のクリフトの妻でサントハイム王女、
アリーナ姫の三人が冒険の旅をしていたときのこと。

旅の途中立ち寄ったエンドールの町にて、彼らは、後を追ってきた
サントハイム兵士から、城から連絡が途絶えたことを聞かされる。
不安を覚えつつ三人が急ぎ城に戻ると、そこには思いもよらぬ光景が広がっていた。

なんと城の中には人っ子一人おらず、魔物の住処(すみか)と化していたのだ。
彼らの驚きと戸惑いようは、読者も想像に難くないであろう。

この一件により、彼らのおてんば道中は、消えた皆を救い出す旅と変貌する。
そしてこの旅はその後、勇者と共に世界を平和に導く旅となった。

世界に平和が訪れた後、城から消えた者たちは無事、戻ってきた。