修士◆B1E4/CxiTwの物語



【世界怪奇伝承 [1]】

真っ先に紹介すべき事件は、バトランドの片田舎の村、イムルで起きた事件だろう。
魔族の王ピサロの意思が地上に現れた、最初の事件だ。


あるとき、村の子供たちが村の外で遊んでいると、
友達の一人、レックがいなくなっていることに気がついた。
困った子供たちは村の大人にも探してもらったが、
結局その日から、レックは行方不明になってしまった。

この日を境に、村の外で遊んでいた子供たちが、次々と消え始めた。
ある子供は、空に飛び去り消えてゆく友達を見たりした。

イムルの村人たちの差し迫った訴えを聞いた王は、王宮の兵士に調査を命じた。

程なくして一人の兵士が、村の外にある子供の秘密の遊び場
「古井戸」にて、事件の手がかりを掴むことに成功した。
兵士は、村の遠く西の湖にそびえる、「湖の塔」に潜入した。そこで彼は、
レックと行方不明の子供たちを発見し、事件の首謀者の魔物たちを討伐した。
そして兵士は子供たちを村に連れ帰り、村人たちに深く感謝された。

この兵士こそ、後に勇者の仲間となる戦士、ライアンである。
事件を解決したライアンは、その全容を王に報告した。
そして許しを得て、世界を救う勇者を探しに、国を後にした。

イムルの村は現在、ライアノックと名を変えて存在する。
子供たちが外で駆け回る風景は、今も変わらず見受けられる。