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総長◆Lh6WfP8CZUの物語

ラーミア復活!?[1]
アリアハンから出港してはや10日。日に日に肌寒くなっている。
どうやらそのラーミアとやらが封印されている場所は俺の世界で言う北極とか南極とかそんな感じの場所らしい。
まあそれはいいんだよ。今更どんな僻地に行こうがビビッたりはしねえし。ただ問題が一つ

総長さん!あなたはメラやイオ系の呪文の威力には目を見張る所があるわ。
ただヒャド系の呪文に関してはまだまだ修行が足りないわね。大自然の雪と氷を肌で感じる事は、きっとあなたの魔力を飛躍的に伸ばすきっかけになるわ!バシバシいくわよ!

……帰りてえ……

   ◇

さらに10日ほど航海したのちようやく目的の大陸に着いた。
寒いなんてもんじゃねえ。ねーちゃんが酒を買い込んだ理由がわかったぜ。
パンツと俺は樽を一つずつ担ぐと雪の積もった氷の大地に踏み込んだ。

見渡す限り銀色の世界。
太陽の反射に目が眩む。

さて。どうしたものだろうか。着いたはいいがここからどう進んでいいのかさっぱりだ。
この状況からして遭難=死あるのみ。今は晴れているがいつ吹雪くともわからない。

私にまかせて。

ねーちゃんがそう呟く。………………。しばらく精神を集中させたと思うとスッと指を指した。

あっちの方に強力な霊場があるわ。おそらくそこにラーミアが封印されているはずよ。

ほうほう心眼って奴ですかい。さすがだ。よしこれで迷う事は無さそうだ。
ねーちゃんの指示のもと俺達は歩き出した。


と、突然轟音と共に地面が盛り上る。

敵だ!おまえら構えろッ!

目の前には氷のデカブツと雲の塊が数匹ずつ。フヘへへ。顔がにやける。

ちょっと!総長ちゃんなんでそんな嬉しそうなのよ!

勇者が叫ぶ。当然だ。船の上の戦闘では海上への呪文による遠距離攻撃が多くろくに剣を振るえなかった。
しかしここならこの超強力な新相棒を思う存分振り回せる!
勇者とねーちゃんは雲を魔法で頼む!俺とパンツはあのデカブツをカキ氷にしてやるぜ!

いくぜゴルァアアアアアアア!!!!!!!!

敵の中心に向かって突撃だ。

ッしゃああああおらああああぁぁぁぁァ!!!!!

全身全霊を込めてはかいのつるぎを振り下ろす。



一撃。



一撃で5mはあろう氷の塊がバラバラになった。
なんだろうこの感覚は。このはかいのつるぎもそう、じごくのよろいもそう、ふこうのかぶともそうだ。
身に着けるとそれだけで全身の筋力が強化されたような、そんな錯覚に陥る。
実際腕力は格段に上がっている。

総長殿!後ろですぞ!

おっさんの声と同時に背中に強烈な衝撃を感じる。吹っ飛ぶ俺。
大丈夫!?と勇者とねーちゃんが駆け寄った。

………?

何事も無く立ち上がる。まあ確かに痛いは痛いのだがあのインパクトにしてはダメージが残って無い。……こいつは凄いぜ…。

どっしゃあああああアアああ!!!!

奇声と共に残りの氷の塊をパンツが砕いていた。こいつのまじんのおのとやらも半端無い。

凄い…。二人とももう人間の域じゃないわ…。

ねーちゃんが息をのむ。
残りの雲を勇者が焼き払う。
うん、今更だが俺達は確実に強くなっている。
ここまで色んな事があった。本当に色んな事があった。

………いくぞ!

ラーミアを復活させたら俺の野望もいよいよクライマックスだ。
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