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総長◆Lh6WfP8CZUの物語

ダーマそしてイケメンへ…[2]
ダーマ神殿。

相当古い造りの神殿だ。中には冒険者と思われる奴らが結構いる。有名な神殿のようだ。
中に入り道並みに進むと祭壇があり上に人がいた。こいつが神殿長か。


まぶしい。


ハゲだ。バーコードだ。
どんな偉い神殿長か知らないがそのバーコードっぷりはもろに俺のツボにはまった。
まともに顔が見れない。

必死に冷静を装う。…ふう。もう大丈夫だ。よし。顔を上げる。が、次の瞬間

ぶほぉッぐへへへへへっうびゃっぱっ

パンツだ。このバカが…せっかく俺が精神を集中させて笑いという雑念を消したと言うのに…

パンツは腹を抱えて笑い転げている。お月様が!お月様が!とか言ってやがる。
俺も気持ちの糸がプッツりと切れた。神殿内を這いずり回って笑い転げる俺とパンツ。

そして数分後見事につまみ出された。ガッデム。
そしてさらに数十分後神殿から出てきた勇者に正座させられ俺達は延々と怒られた。

ここのボスは俺のはずだが最近は自信が無くなってきた。

勇者の話。
賢者は隠居してここからさらに山道を行った北の塔に住んでいる。また山道か。鬱だ。
山道と聞いてほんとは神殿で休憩して行きたかった所なのだが
あのハゲと目を合わせる自信が無いため仕方なく出発する。

パンツはまだ笑っている。…こいつ本気でこの山に捨ててったろか…とにかく俺達は出発した。

相変わらず後列で戦闘に参加させてもらえない俺は暇なのでこっそり「ホイミ」の練習をしていた。
俺にはこの呪文は向かないのか。
破壊的なイメージはすぐに湧くのだが「治癒」がどうしてもリアルにイメージ出来ない。
ちょうど前でパンツが勇者にホイミをかけてもらっている。
そういや昔ひとし君と喧嘩して刺されて入院した時看護士さんに包帯代えてもらったっけか。
そんな事ボーっと考えながらホイミっとつぶやく。一瞬だが青白い光が俺の掌から放たれた。

…わかった。
そうかコツは「病院」だ。そして俺はもっと重要な事に気づいた。所詮俺は余所者である。
魔法を使う際この世界のモノをイメージしてもうまくいかないのだ。
単車なり病院なり自分に身近だったものを強くイメージし、それを具現化する。
つまりのとこ「魔法」とはそういうものなのだ。

こんな事に気づいてしまう自分の才能が怖いぜ。
俺は自分の天才ぶりにニヤニヤしながら歩く。勇者が心配そうに近寄ってくる。
総長ちゃん大丈夫?どっか頭打った?ってどういう意味だよオイ!
おまえらの方がよっぽど人としておかしいから!

その後さすがに疲労の見える二人にかわりようやく先頭に復帰した。
久しぶりの出番に暴れまくる俺。
相棒のドラゴンキラーもすこぶる調子がいい。
デカ猿だろうがデカアリクイだろうが俺のドラゴン正拳突きの前に敵はいない。
圧倒的な強さで蹴散らして俺達は順調に塔を目指した。

そこからどれだけ歩いただだろうか。山道の上り下りを繰り返し遂に塔の前に立つ。

でけえ。

早速塔に入ろうとした。が、ドアが開かない。
今回ばかりは相手がデカ過ぎてパンツの怪力も通用しない。

仕方ないので辺りを一周してみることにした。ちょうど入り口の反対側に一軒の家があった。
もしかしてここが賢者の家か?ドアをノックする。

出てきたのは300のジジイとはかけ離れた若い女の人だった。

女の目は固く閉じられている。とりあえず話かける。おいここは賢者の家か?女はコクリと頷く。
じゃあ話は早い。おい賢者に会わせてくれ。女はまたコクリと頷き家の中に手招きする。
おかしい。実におかしい。事が順調に運びすぎる。俺達の旅ではありえない展開だ。
絶対何か落とし穴があるに違いない。
まあ尻込みしてても仕方ないので入るか。

中は普通の民家と変わらない。と奥の部屋から一人の男が出てきた。イケメンだ。
青い目、整った顔、金髪のロンゲ、長身。…なぜか無性にムカつく。
俺は基本的にイケメンが大嫌いだ。

とりあえずガン付けつつ話かけた。

おい賢者に会わせろやイケメン君よーちょっと顔がいいからって調子乗ってんじゃねーぞコラ。

イケメンはプッと吹いた。

あああ!!!??なんじゃ純日本人顔純日本人体型の俺がそんな面白いか!!?

明らかに見下されている。ここでなめられてはいけない。
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