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総長◆Lh6WfP8CZUの物語

砂漠の女王[3]
例の部屋に着く。
みなそれぞれ散乱する本やら巻物を調べていく。パンツはどっかに行ってしまった。
まああいつに本を読めという方が酷だろう。
正直俺もかなり眠い。勇者は何か見つけたらしく読みふけっていた。

数時間後。
夢の世界にいた俺の頭に一本の巻物が落ちてきた。いてーなコラ。燃やすぞ。
まさにメラを唱えようとしたその瞬間ひとつの単語が目に留まる。

「究極攻撃魔法」

…究極攻撃魔法!?

 究極の破壊力を持った攻撃呪文。
 それは我々魔法に頼る者にとって生涯の研究課題であり夢である。
 現存する魔法で最高の破壊力を持つのはメガンテであろう。
 これは詠唱者の生命エネルギーを燃料にして
 大爆発を起こす呪文である。
 しかしこれではリスクが大きすぎると考えた古代の賢人達は
 生命エネルギーの代わりに
 精神力そのものを燃料に出来ないかと考えた。
 そうして完成したのがマダンテである。
 マダンテ。
 それは使い手の精神力すべてを一瞬にして
 増幅、圧縮開放してしまうのだ。 

 威力が使い手の精神力に依存する事、
 「一瞬で精神力を開放する」ためには人並み外れた集中力が要る事、
 そして何よりその後しばらく一切の魔法が使えなくなる事。
 これは術使用者にとって致命的ではあるが、
 その威力はそれを補うには十分であろう。
 私の知る限りこの呪文を使いこなせた人間は一人しかいない。
 もしあなたがこの呪文を使いたいと願うのなら、
 日々の精神鍛錬を怠らない事だ。
 そして何よりも重要なのは呪文の反動に耐え得るだけの
 強靭な肉体が必要とされる。
 想像を絶する心身の修練の果てに習得が可能な
 まさに究極の呪文なのである………

その後は修行の方法やら何やらが延々と書いてあった。
とりあえずこの巻物は貰っておこう。俺ほどの才能があれば使えるに違いない。
俺はその後も部屋を物色した。と、その時パンツが勢い良く部屋に入って来た。
両手には何かゴチャゴチャ何か抱えている。
暇だから他の部屋で使えそうな物を取ってきたというのだ。
さっき回った時はまったく気づかなかったのに。
こいつ頭は悪いがお宝を発見する事にかけては天才なのかもしれない。
飽きてきた俺はパンツと一緒にチェックを始めた。

とんでもないものを見つける。これ例のオーブじゃねーか!?
そうかじいさんもひとつ保管してたのか。あっさりと緑色のオーブを手に入れた。
だがしかし他はすべてガラクタだった。やはりパンツはパンツだった。

勇者は気に入った本が何冊かあったらしくいくつかの収穫を得て俺達はじいさんの家を後にした。


その夜も宿屋で鬼浜定例会議が開かれる。ここで初めて勇者がまともな意見を出した。

どうやら賢者に会いたいらしい。
賢者とは勇者の親父、バカ王、じいさんと共に魔王を倒したあの賢者だ。
じいさんの本によると魔王を倒した時賢者は約300歳らしい。
300歳!?どんなアグレッシブなジジイだよ。
きっと俺達の旅の助けになる何か知恵を授けてくれるんじゃないかと勇者は言う。
俺は個人的に300歳の人間というものが見てみたかったので次の目標は賢者に会う事になった。


―次の日―

俺の独断で出発する事を女王に挨拶がてら伝えに行く。相変わらず美人だ。
一応賢者について何か知らないか聞いてみた。

ここから遥か東に「ダーマの神殿」というとこがあってそこの神殿長がかなりの物知りらしい。
そいつなら何か知ってるんじゃないかという事だ。この美人が言うんだから間違いない。
俺は3秒で次の目的地を決めた。
もう砂漠は懲り懲りなので羽を使ってアッサラームまで戻る。
パンツはカニが惜しいのでもう一度砂漠に行こうと言う。
…こいつ砂漠に捨ててきたろか。
友達の店にも寄ろうと思ったが勇者が頼むからやめてくれと言うので即出発した。
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