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総長◆Lh6WfP8CZUの物語

砂漠の女王[2]
―次の日―

魔物を蹴散らしながらあいかわらず西を目指していた。遠くにぼんやりとだが町が見える。
みんなのテンションが一気に上がる。結局町に着いたのはその日の昼過ぎだった。

砂漠の町イシス。

俺達はじいさんの家を探すべく聞き込みをする。
ああ大魔導師様の家ですね。この路地のつき当たりですよ。

…大魔導師様!?あのじいさんが!?

情報通り進むとそこには家があった。かなりデカイ。困った事に入り口には鍵がかかっている。
扉の前で考え込んでいるとパンツが不思議そうな顔で近づいてくる。

バキッ

錠前ごと引きちぎった。こいつには「鍵」という概念が無いようだ。
結果オーライて事で俺達は中に入る。

一部屋一部屋見て回るが特に変わったものはない。
一番奥の部屋に入る。ここが最後だ。 

うわっ汚ねえ。

そこには本だの巻物だのが散乱していて
よくわからない実験器具のようなものが部屋中を埋め尽くしていた。

何か手がかりになる物はないかと足元の本を拾ったその時、

おい!そこで何をしている!

振り返ると数人の兵士がこっちを睨んでいる。何をしてると聞かれても返答に困る。

怪しいやつだ。さては魔導師様の研究を狙う賊だな?こっちに来い!

近くにいた勇者の手を引っ張る。連行する気だ。俺は反論した。

何だと!俺達のどこが怪しいと言うのだ!どこが怪し…どこが…怪…

明らかに怪しい。

思いっきり不法侵入だ。バカパンツが鍵ぶっ壊してるし。


結局俺達は城まで連行された。そして王の前に突き出される。
驚いた事に目の前にいたのは超絶美人の女王だった。
思わず見とれてしまう。
パンツなんて興奮しすぎてその場でスクワット始めやがった。周りの視線が痛い。
俺はこのままだと牢獄行きなので今までの経緯を必死に説明した。

……じいさんの死はさすがに衝撃だったようだ。その場の空気が一気に重くなる。
そんな話信じられるかと言っていた側近も勇者の目を見るなり黙りこくった。
なんかこいつの目には人を信じさせる力があるんだよな。

勇者は続ける。
魔王を倒すためにはどうしても力が必要なこと。じいさんの家には何かヒントがあるかもしれないこと。

女王は口を開く。
…いいでしょう。魔導師様が命を賭けて守ったあなた方を信じましょう。
何か困った事があったらいつでも力になります。

わーお。顔だけでなく性格もいい女だ。惚れた。世界征服の暁には是非俺の女に…

ちょっと総長ちゃん何ニヤニヤしてんの?気持ち悪いよ早くいこーよ!

そうして俺達は再びじいさん宅へ向かった。
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