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総長◆Lh6WfP8CZUの物語

私の名は勇者[1]
その後、俺達は村の中央にじいさんの墓を作った。

そして村を離れ一旦ジジイのいる町まで戻る。
ジジイはじいさんが減ってる事に気づいたが俺らの表情から事を察し静かに十字をきった。
深夜鬼浜会議が開かれる。ピエロは気になる事があるので城へ帰ると言う。
今まで黙っててすまないが、実はお前らが立ち寄ったロマリアと言う国の王様だったんだと告白する。

…いやいやわざわざ告白せんでも未だに気づいてないヤツなんていねーよ…
そんなヤツは正真正銘本物の極限のバカだ…
隣でパンツが驚きの声を上げる。

………。

勇者はまた一人旅を続けるらしい。ちょっとまて。それは無茶だろ。
あいつらのバカ強さお前も身をもって実感しただろうがよ。一人とか死にたいのか?

俺はなんならお前も舎弟にならないかと誘う。勇者はキョトンとしている。

いやだからな?俺は世界征服する為に鬼浜という族を結成しててだな…いや族っつてもわからんか…
世界を救うとかまったく興味無いんだが魔王は邪魔だからどっちにしろイワしとかなダメだし、おまえも魔王潰したいなら一緒に来るかって事!わかるか?

必死に説明する俺。勇者はやっと意味が飲み込めたのか笑顔になる。
是非仲間にして下さい!と言った。

ここで明確にしておかなきゃいけない事がある。世間では勇者様様だがここで一番偉いのは俺だ。
俺の事は総長と呼ぶこと、勇者だか何だかしらんが俺の方が偉いことを説明する。
勇者はニコニコしながらよろしく総長さん!と答えた。ちっなんか調子狂うな…

その日、鬼浜会議は深夜まで続いた。ピエロ改めバカ王からいくつかの提案があった。
一つ目はラーミアの復活。
よくわからんがラーミアっつーのは簡単に言うとバカデカい鳥らしい。
なぜそんな鳥が必要かと言うと、魔王のいる城へは空路でしかいけないのだ。
昔じいさん達が攻めてった時もこの鳥を使ったと言っていた。
デカいってどんだけデカいんだよ…人を数人乗せれる鳥なんてまったく想像がつかない。

人を乗せて飛ぶ巨大な生き物…

…モスラ。咄嗟に頭に思い浮かんだ。そうだきっとモスラに違いない。鳥とか言ってるけどほんとは蛾なんだろ。こいつはすげえ!モスラが復活したら魔王軍なんて目じゃねえ。
むしろちんけな城一つなんて簡単に壊滅させられるだろ!その後の世界征服も余裕だ!
これは非常に有益な情報だ。一気に俺の覇王への活路が開けた。
さあ復活だ。すぐ復活だ。どこにいるんだモスラは!さあ!どこに!

ちょっと総長さん興奮しすぎ!と勇者に諌められる。

ピエロの話によるとラーミアを復活させるには6つのオーブが必要だそうだ。
そのオーブはじいさん達が自分達で保管してたり元あった場所に安置したりで世界中にバラけてるらしい。

なんて事だ。

俺は大きな勘違いをしていた。まあ当然だ。モスラなんて現実離れした生き物がさすがにこの世界にもいるわけが無い。オーブ…ボール…集める…集めたボールで復活…空を飛ぶ化け物…と言えば龍……三つの願い…
答えは一つに繋がった。どっちにしろ強力な味方に変わりは無い。

で、ひとつはロマリアにあるので取りに来いと言われた。

二つ目は戦力強化。今のままでは絶対に魔王軍に勝てない。強力な武器や防具が必要だ。
じいさんは生涯掛けて究極の魔法を研究していたので、イシスという国にある実家を訪ねれば
何か手がかりがあるかもしれないとのことだ。究極の魔法か。覇王たる俺にピッタリの響きだ。
何の手がかりもないしとりあえずイシスを目指すか。



その日はそのままジジイの家に泊まった。

パンツのいびきがうるせえ。
洗濯バサミでマスクの上から鼻を摘んだ。

………………。

三分後。
息をしていない事に気づく。あわてて洗濯バサミをとった。危うく永眠させる所だった。
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