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総長◆Lh6WfP8CZUの物語

総長[4]
目を開ける。目の前にはジジイがいる。

???????

まったく状況が飲み込めない。

ジジイが口を開く。
どうやら俺は生き返ったらしい。この世界では神様の気まぐれで稀に死人が甦るようだ。
そして生き返ったやつは必ず教会や城に現れる。ジジイも神父だけあって何度か経験あるらしく意外と冷静だった。

俺は結局生きていたという結果に妙な脱力感を覚えその場に座りこんだ。
ジジイは俺が無事だとわかると長々と説教を始めやがった。うぜえ。
無視して教会を出ようとすると村人が数人駆け込んできた。あろうことか皆俺に向かって礼を言いやがる。

ちっ他人にすがる事でしか救われない弱者どもが。
負け組みのオーラがプンプンするんだよ俺に近寄るんじゃねえ。てめえらの為じゃねーよ屑共が。

俺は結果的に負けたのだ。この史上最強の総長と恐れられた俺がぶっ殺されたのだ。
……負けて死ぬようならこの糞雑魚野郎共と変わらないじゃないか。
畜生が。

イライラと絶望で何も考えたく無い。誰も近寄るな殺すぞ。とっととその場を離れようとした。
が、その時意外な言葉が舞い込んできた。 

よっ町の英雄さん今夜一杯どうだい?

酒…つまりこういう事だ。こいつらは畑の魔物を追っ払ってくれた礼に酒を飲ませてくれると。
ふざけるな今はそんな気分じゃねえ。喧嘩無敵の俺様が負けたんだよダボが。酒なんて飲んでる場合…
……酒……?酒…!?酒だと!?

と、いう事で夜町の酒場でささやかなパーティが開かれる事になった。それまで俺は寝る事にする。


―夜―

町の小さな酒場につくとそこには十数人の村人がいた。みな笑顔で気持ち悪い。
進められるままにまずビールを一杯飲む。癖があるがどうしてなかなかこれはこれでうまい。
ガキがこっちを見てる。あ?目が恐いだ?うるせー殴んぞあっち行け。

と、ここで凄いものを見つけてしまった。バニーの姉ちゃんだ。しかもかなりの食い込み具合。
こっちの酒場ではこれがスタンダードなんだろうか。だとしたらかなり顔がにやける。
最初は気持ち悪いオタのコスプレ集団のような世界だと思ったがこれなら悪くないかもしれない。

さあさあグイっとやってくんな!糞共が俺にお酌しようと列を成してきやがった。
たくこれだから弱い凡人はよ…俺は進められるがままに飲む。


―3時間後―

ウップ…もうこの辺で…

バニー「英雄さんかっこいぃ〜!わたしのお酒も飲んでくださ〜ぃ!」

デへへ。飲む飲む!バニーちゃんのお酌なら樽でも飲むぞ!てこれウィスキー…しかも激強…
ウゲっなんとか飲み干し…て何かかえてんの!?えっマジで樽で持ってきたの!?
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