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◆I15DZS9nBcの物語

◇間幕
目が覚めると横に裸の男が居た。
「……ちょっとお酒が残ってるのかな?」
悪い冗談にしか思えない、僕が同性と一緒に一夜を共にするなんて何かの間違えに違いない。
横ですやすや眠る彼は無邪気そのもの、でも起こそうとは思わない、だってこれは夢なんだから。
たとえ夢であっても万が一男に掘られるなんてことはあってはならないから僕は静かにとこから出てスーツに腕を通す。
やや古めかしい感じが良い味を出してるって思ったけど気分は最低。
カウンターのおじさんもやっぱり同じ風な趣でここはそういうところなんだろう。
このホテルは食事は出さないらしく朝食は……。

「ここどこ?」

道路、じゃない、正真正銘の田舎道、石畳ですらなく土。
舗装こそされているけど踏み慣らされてている場所を除けば凹凸が痛々しい、管理者は何をやっているのか脇は草がぼうぼうと生えてる。
通好み、と言えば聞こえは良いけど多分怠慢。
僕は昨日の晩はこじゃれたバーでお酒を嗜んでいたと思う。
と言うのもどうも記憶が曖昧でよく分からない。
でも空気の良さは買う、清々しい、どうも都会の雰囲気は僕には合わないので良い感じだ。
「さて、駅はどっちだろう?」


とぅびぃこんてぃにゅうど
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