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タカハシ◆2yD2HI9qc.の物語

武器庫
「お、なかなかいい武器を揃えてるじゃねぇか!」

入り口の調査を終え武器庫へ入ったフーラルが大声で言い、ガシャガシャと装備を試す
クリーニは俺とトルネコの会話が終わるのを待つためか、先ほどからルビスと話していた
だがルビスがあまりに寡黙で世界とかけ離れた事をかえすため、会話自体はあまり弾んでいないようだ
それにも拘わらずクリーニは、時折見せるルビスの愛想笑いに見惚れてしまっていた

それで満足なら何も言うまい…
俺は武器庫へと入る

中では、フーラルが自分の好みに合った武器を探していた

「おぅ、タカハシ トルネコさんとの話はもういいのか?」
「はい 終わりました」
「そうかそうか それでよ、これ─」

フーラルが大きな刃のついた槍を、俺に見せてくる

「どう思う?」
「え? どう思うって…」
「いや、俺に似合うかどうか」
「あ、はぁ…」

どう思うって言われてもなぁ…

俺は槍を手に取り刃へ触れる
刃からは魔力を感じる

「なぁ、いい槍だろ? それはな、雷神の槍っていうんだ」
「雷…神…?」

聞いたことがある…
そうだ!
フィッシュベルで確かテリーとカンダタが話していた、賢者の石で出来た武器の一つだ

「ああ、雷神だ これはな、ずいぶん昔に名工が造ったとされる、強力な槍なんだ」

雷神か、また雷だ
俺は商人と、そして雷にも縁があるらしい

「似合うと思いますよ」
「やっぱりな! 雷のような鋭い響きは俺にしか似合わないぜ」

…俺は、雷が"一番"よく似合う男を一人知ってます
なぁ、テリー

声には出さず呟き、扱える武器を探すことにした
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