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◆8fpmfOs/7wの物語

第4話 タロウの犬誤算
目が覚めると僕はきこりさんの家にいた。
「よく眠れたかなゲレゲレ。いやタロウ」
「あのね、変な夢を見たんだ。石版を探して神殿に行かなきゃ行けないの」
「夢のお告げか。お前はそれを信じるのだな。冒険を続けるなら一度エンドールまで戻ったほうがいい」
「どうして?」
「ここから先は砂漠だ。とても犬一匹では越えられまい。エンドールの先にいけば旅の扉と呼ばれるものがある」
「旅の扉ってなあに?」
「私も詳しいことはわからぬが空間をつなぐものらしい。お前が異界から来たというのなら何かヒントがあるかもしれない」
「ふーん不思議だね。ありがとう。僕行ってみるよ。きこりのおじさんと勇者さんにもありがとうが言いたかったよ」
「人間が犬の言葉を理解できぬのが残念だな。その勇者殿も世界の異変を調査するためにかつての仲間たちと旅に出た」
「そうなんだ」
きこりのおじさんは勇者さんが持ってきたスープをおいしそうに飲んでいる。
「あのスープおいしかったよ。僕ね、おいしいものが大好きなんだ!」
「それはよかったな」
「おじさんも僕と一緒だね。残り物が大好きなんだね」
「……人間が犬の言葉を理解できない方がいいこともあるようだ」
あれ、僕変なこと言ったのかな?
「私からの餞別代りだ。ひとつ技を教えてやろう。危険だと思ったら使うといい」

タロウはすなけむりを覚えた!

僕は再びお礼を言うと旅の扉を目指してきこりさんの家を後にした。
ゲレゲレという名前ともお別れだ。
きっと人間にこんな変な名前をつけられた動物は僕だけだろうな。

小さな建物の中に青い渦のようなものがあった。これが旅の扉なのかな?
飛び込むのは怖いけど旅立ちには勇気が必要だという言葉を思い出して僕は渦の中に飛び込んだ。

僕はぐるぐる回ってやっと渦から抜け出した。
気持ち悪いよぉ……
ここはどこだろう? さっきよりも大きな建物みたいだ。あ、誰か人がいるよ!
『何だお前は。俺様の子分にしてやろうか?』

……僕は今、コリンズという子の子分をしています。
『いいだろう、新しい子分を手に入れたんだ』
『わー、かわいい犬だね!』
『いいなー』
コリンズ親分は遊びに来た男の子と女の子に僕を紹介している。
僕は石版を探さなきゃいけないのにな。僕は小さく「くーん」と鳴いた。
『ねえ、コリンズ君。この子何かを探しているみたいよ』
「え! 僕の言葉がわかるの?」
『うん。ねえ、何を探しているのか教えてほしいの』
女の子は僕の言葉がわかるみたい。この世界は不思議な人がいっぱいだね!
僕は女の子に石版の話をした。

『このこの名前はタロウで、元の世界に戻るために石版を探しているんだって』
『ねえ、コリンズ君。タロウを連れて行っていいでしょ』
『よし! 親分からタロウに石版探しを命じる!』
そんなわけで男の子と女の子と一緒に石版を探しにいくことになったよ。

『ねえ、お父さん、この子連れて行ってもいいでしょ』
『ちゃんと面倒見るから』
2人はお父さんに僕を飼ってくれるようにおねだりしている。
『いいんじゃないかな。でも、ちゃんと面倒見るんだぞ』
お父さんは連れて行ってくれそうだね。
『でも結局面倒見るのはいつもモンスター爺さんですよね』
と、お父さんの家来みたいな人が言う。
って、モンスター爺さんって誰ー!
『そういえばルドマンさんが不思議な石版を手に入れたって話を聞きましたよ』
『本当なのピピン。それじゃサラボナに行ってみようよ!』
『その前にタロウをみんなに紹介しておこう。おいでタロウ』
お父さんが僕を馬車に連れて行ってくれる。僕、お馬さんってはじめて見たよ。
そんなことを思っていると馬車の中から大きな猫が出てきた。モンスターだ!
『怖がらなくていいよ。とってもいい子なんだ』
そういえばいやな感じはしないや。すごい、モンスターを仲間にしちゃったんだ!
『紹介しよう。キラーパンサーのゲレゲレだ』
いたー! ゲレゲレいたよー!
『せっかくだから面白いものに乗せてあげよう』
1人ではしゃぐ僕の目の前でじゅうたんが広げられる。
みんながじゅうたんに乗るとふわふわと浮き上がった。
『驚いたかい? 魔法のじゅうたんなんだ』
凄い! 僕車に乗せてもらう時は窓から顔を出さなきゃいけないけどこれなら必要ないね!
なんてことを考えていたけど乗ってみると空飛ぶじゅうたんって怖いよー!
怖がる僕とみんなを乗せてじゅうたんはサラボナという町を目指して飛んでいった。
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