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◆2yD2HI9qc.の物語

三、友人
「キィー!」

突然の声に男は驚きます。
慌てて周りを見回すと、窓から何か見たことの無い生き物がひょいと部屋へと入ってきました。

「キッキッ!」

それは男の周りをふわふわくるくる回ります。

「こここ、これは?!」

女性はあははと笑い、その生き物を抱えました。

「この子は私の友達でドラオっていうんだ、ドラキーだよ」
「えっ? どらきー?」
「大丈夫だよ、人を襲ったりしないからね。あんたをずいぶん心配していたんだよ」

女性の肩の上で笑ったような表情のまま、ドラオは男を見つめています。

 こんな生き物ははじめてだ。図鑑でも見たことがないし空を飛んでる!
 ああ、やっぱりここは自分には知れない世界なんだ。

女性とドラオをふと見上げ、少し気持ちが落ち込みました。
けれども、不思議と心の高揚も感じます。

「そうそう、私はこの宿屋の女将だよ。あんたの名前はなんだい?」

名前は覚えていました。
男は、それはもう自信を持って答えます。

「俺はヨウイチです」

女将はふうんとうなずき、ヨウイチとおんなじにはりきって言いました。

「いらっしゃい。ここはクレージュの宿屋だよ」
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