◆yeTK1cdmjoの物語
俺の名を言ってみろ[1]
ここで俺ですよ。
キム皇との魔法特訓を無事に終え、色々と魔法を使えるようになりましたよ。
基礎の魔法とはいえ短期間で色々覚えた俺ってばすごくね?
きっと俺の中に眠っていた力がドラクエ世界に来たことで覚醒して(ry
んで。俺達は今ラダトームの宿屋でまったりしている真っ只中。
リムルダールまで行ったのになんで今更ラダトームなのかっつうと。
初めてラダトームを訪れた時に渡された120Gと鍵と松明の「贈り物」を王に投げ返してきてやったわけだ。
ファミコン神拳のおかげで金は1万以上あるし、鍵もジジイから安く買い叩いたし、ダンジョンを暗記している俺に松明は不要。
ついでに王を罵倒してきた。
『まだ竜王を倒せぬのか?』
返した後にこんなこと言われたらキレて当然でしょ。
『ヤバイ。ラルスヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。ラルスヤバイ。まずセコい。もうセコいなんてもんじゃない。ツルセコい(ry』
『ローラの下痢便を肛門から直飲みしたいやつ』
『このヘアースタイルがサザエさんみてェーだとォ?』
『120Gしか渡さないおとこのひとって…』
『そんな事より大臣よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。このあいだ、初めてラルスに会ったんです。ラダトームの。そしたらなんか(ry』
『ローラはともかく、マナカナのどっちが好みか語ろうぜ!』
『ノアだけはガチ』
ラルス涙目wwwざまあwwwwwwwwwwwwwwwwww
「ところで、お前の名前を聞いてなかったな」
宿屋で作戦を立てた後、ミヤ王が改まって聞いてきた。
つうか、今更聞くことじゃないよね。ファミコン神拳がおかしいの? 名乗らない俺が悪いの?
「俺だよ」
「そういうことじゃなくてですね……」
「だから俺なんだよ」
「酔ってるんだすか?」
「酒ないのにどうやって酔うんだよ」
「名前を聞いてるのに俺だ俺だ言うからだ」
意外に頭の悪い連中――とも言えないか。
名前が名前だ、仕方ない。
「俺のフルネームは姓は江良井、名前は俺――って、この世界じゃオレ・エライか」
「……本名か?」
「本名だよ。戸籍謄本でも何でも見て確認してみろ」
「それはなんとも」
「冗談のような名前だな……いや、バカにしているつもりはないんだ」
「気にすんな。よく言われる」
「オレ・エロイとは……ドエロじゃないっすか」
「お前は死ねばいいと思うよ^^」
我ながら凄い名だとは思うし、コンプレックスを持っていたのも確か。
だが、名前をからかった教師をクラスのヤンキーがフルボッコにしてくれて以来、人の価値は名前で決まるもんじゃないと理解した。
その出来事がきっかけでヤンキーとは仲良くなり、今でも付き合いがある。
そもそも彼の結婚式に出るために俺は上京してきたんだ。
なぜかアレフガルドにいるけど。
人生って不思議ですね。
翌日、キム皇のルーラでリムルダールに飛んだ。
キム皇曰く、「あてが使うルーラは勇者ロトが使っていた時代に使われていたルーラだす」とのこと。
FC版公式ガイドブックによると3勇者がゾーマを斃したのは400年以上前。嘘だと思うなら73ページを読んでくれ。
400年も前なら使い手がいなくなったり、性質が変わっていても不思議じゃない。
恐らくギラもいつの間にか変わっていったんだろう。
俺の予想では今使われているギラはメラが変化していったものと推測する。
今の俺には何の関係もないことだけど。
リムルダールに飛んだ俺らが何をしているかと言うと。
「どこじゃキメラああああああああああああああああああああああああああああ!」
リムルダール島に棲息するキメラをひたすら捕獲してますが何か?
聖なる祠付近に出るキメラをひたすらに、ただただひたすらに捕獲。
キメラ以外の魔物はどうでもいい。
「ウララー!!」
ゴールドマンはアパッチの雄叫びで。
「お前はもう死んでいる」
骸骨には北斗神拳で。
「オーロラサンダーアタック!」
鉄のサソリは凍らせて。
「男は度胸! なんでもためしてみるのさ」
リカントマムルは掘って。
ま、そんなこんなでキメラだけを捕獲。
携帯の時計では現在18時6分。キメラ捕獲開始したのが7時過ぎだったから11時間くらい?
さすがに疲れたがその甲斐はあった。
「キメラ、計151匹ゲットだぜ!」
「お前らの中に人間の言葉を話せる奴いるか?」
「少ιナニ″レナナょら言舌せゑ」
なんという聞きにくさ・・・
一言聞いただけでイライラしてしまった
この言葉は間違いなくギャル語
「お前らを殺さず、捕まえたのには理由がある。――お前らと取り引きしたい」
「耳又丶)弓|、キ?」
「そうだ。俺達四人を魔の島に運んでもらいたい。そうすればお前達キメラの命は保障する」
「正気τ″言っτレヽゑ@カゝ?」
「幸か不幸か、俺の頭は正気さ」
「断ゎっナニらー⊂″ぅナょゑ?」
「戦闘だな。この場にいるお前達を皆殺しにした後で別のキメラを探すだけさ。要求を呑むキメラが現れるまでな」
「……我々≠乂ラ一族レニ竜王様を裏七刀れー⊂言ぅ@カゝ?」
「逆に考えるんだ、『裏切ってもいいさ』と考えるんだ」
黙るキメラ。
それもそうだ。逆に考えられるわけないだろ、常考。
「今すぐに答えを聞かせろとは言わない。明朝、俺達は魔の島に一番近い場所にいる。その時に答えを聞かせてもらいたい」
「人質を取っておくだすか?」
「人質を取ったら脅迫になるからな。――俺が保障するキメラの命はキメラ一族の命全部ってことだけは言っておく」
「ー⊂″ぅレヽぅ⊇ー⊂ナニ″?」
「魔の島まで送った後、俺達は永遠にキメラを襲わない。もしも一人でもキメラを襲ったら俺がそいつを殺す。俺が襲っても同様だ」
「……日月朝、答ぇを出ξぅ」
©2006-AQUA SYSTEM-