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◆Tz30R5o5VIの物語

目覚めた武闘家、エリー編[2]
その次の朝に出発し、カザーブの村についたのは二時間後。
看板が汚れていてよく読めなかったが、村の人に聞いて村名が分かったのだ。
秘境という言葉がぴったりくる村…。ここがロマリアの国王が言っていた村に間違いなさそうだ。
村人「ああカンダタね、その盗賊なら子分らと一緒に村にたまに来るよ。ていうか西のシャンパーニの塔は奴らのアジトだから今はそこにいるだろうな」
有力な情報である。
ぼく(男勇者ゆきひろ)「ありがとうございました。たすかりました」
村人「いやいや、いいさ」
この後、村をまわってみた。宿屋は高く、武具屋などはなし…。やはり物静かな雰囲気の村であることがあらためてわかった。楽しみといえば温泉があることだった。夜に入ろうかな。
女武闘家エリー「ねえ、ゆきひろ、あれ…」
ん…墓だ。
『素手で熊を殺した、偉大なる武闘家、ここに眠る』
ぼく(男勇者ゆきひろ)「名前は誰なんだろう…」
汚れていて読めなかった。
女武闘家エリー「すごい人だったのね」
ぼく(男勇者ゆきひろ)「うん……」
男戦士サイモン「お、さっきのおっさんが来たぞ?」
村人「見たところ、冒険者だね、昔やってた店の武器やらがあるから、うちの家にこないか? 格安にしとく」
ぼく(男勇者ゆきひろ)「へえ…。じゃ伺います」
そんなわけで、行くことになった。普通の民家、そのうらの物置に。
女武闘家エリー「えっ!!」
村人「どうだい、何か欲しいのはあるか?」
女武闘家エリー「これ、鉄の爪じゃない! きゃあ、やった!!!!」
ロマリアにもなかった武闘家専用の武器だった。なぜか武闘家の武器はレアのようで、これまで見たことはなかった。
女武闘家エリー「すごいね、ゆきひろ! あたしの武器、見つかったわ!」
ぼく(男勇者ゆきひろ)「うん、すごいな!」
思わず、いきおいで抱擁しあってしまった…。
男戦士サイモン「おまえら、そんなに仲よかったっけ」
女僧侶ナナ「よかったですねエリー!」
村人「武闘家さんなら武闘着もあるから、武器と一緒で1000Gでいいよ」
高い攻撃力の鉄の爪と、高い防御力の武闘着がやすく買えてしまった。
偉大なる武闘家が眠る村には、すばらしい武闘家の装備品が売っている。
バラモス、着実におまえに近づいているんだ。

次の日、村を出発し西へと向かった。
ぼくらの旅に休日はない…。
『さまようヨロイが現れた。』
ロマリアのあたりでエリーが苦戦したモンスターだった。
女武闘家エリー「来たわね!!!!!はあっ!!!」
エリーが跳んだ!
頭部へと強烈な一撃を繰り出したのだった。
男戦士サイモン「おいおい! 強いな…。どうしたんだよ?!」
おそろしく強くなっていた。
サイモンも、負けていられないとシャンパーニの塔までの道中、めずらしく戦闘に気合いが入っている。
そういうぼくも負けてはいられない。
男戦士サイモン「ははは、なかなか張りがあっていいよな、なあ、ゆきひろ」
ぼく(男勇者ゆきひろ)「うん」
女僧侶ナナ「ふふ」
エリーが誇らしげに鉄の爪を見ている。
その表情は、不安などどこにもみられなかった。
これならどんな敵にも勝てると、その時はそう思っていた。
そして…。
目的地である塔が見えたのだ。
ぼく(男勇者ゆきひろ)「いくぞ、シャンパーニへ!!」
サイモン&エリー&ナナ「おお!」
そこはカンダタ達のアジトだ!
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