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◆yeTK1cdmjoの物語

魁!!男俺
……ああどうも、俺です。
 皆さんはマイラの村にいるぱふぱふしてくれる女の子が未成年だって知っていましたか?
 俺は知りませんでした。
 たとえ合意の上でも立派な淫行に当たることをご存知ですか?
 俺は知っていました。


俺の両腕に冷たい鉄の輪がはめられた。
外界との連絡を断ち切る契約の印だ。
「刑事さん・・・、俺、どうして・・・こんなこと・・・しちゃったのかな?」
とめどなく大粒の涙がこぼれ落ち
震える俺の掌を濡らした。
「その答えを見つけるのは、お前自身だ。」
俺は声をあげて泣いた。



 −完−



 ご愛読ありがとうございました。
 ◆yeTK1cdmjoの次回作にご期待ください。






「未成年とは知らなかった。10ゴールドを支払……ってちょっと待て!」
「?」
「ここは条例ないんだよな!?」
「条例? 何の条例?」

 アレフガルドは日本じゃない! てか、地球じゃない!
 つまり! 淫行条例適・用・外!
 素晴らしき哉! 人生!!

「うおおおおお! セフセフ! いいいやっほおおおおおおお!!」
「な、なんかわからないけど落ち着いてよ!」
「素数を数える必要がないほどに落ち着いてるじゃないか! ひゃっほーーーーーーい!」
「落ち着け!」
「ぐふっ」
 ……見事なアッパーだ……。
 燃えたよ……まっ白に……燃えつきた……まっ白な灰に……。

「お、いたいた」
「みやおうか。どした?」
「悶絶してるところ悪いが、そろそろ宿に戻らないと明日が辛いぞ」
「そういや明日はリムルダールだったな」
 実戦経験の乏しい俺の特訓のためにマイラに逗留すること数日。
 ゆう帝曰く、「そこそこ実戦慣れしてきましたね」とのことで俺達三人はようやくリムルダールに向かうことにした。

「ほんじゃ、プリンセス・ハオの夢を見るくらいに寝るとするか」
「プリンセス……何?」
「気にすんな」



「あ、10ゴールドもらってない!」
 (∩゚д゚)アーアーきこえなーい



そんなわけで、リムルダール島を結ぶ洞窟に向かう俺ら。

「って、毒の沼じゃねえか!」
「何か問題でもありました?」
「いやいやいや、『何か問題でもありました?』じゃねえよ。どうやって行くんだ?」
「歩いていくに決まってるだろう」
「さ、行きましょう」
 ゆう帝はちゃっかりと魔法の鎧を着ているからいいものの、俺とミヤ王はどうすんだ?

「気をしっかり持てばこの程度大したことはない」
 筋肉馬鹿め。

 ゲームの毒の沼と実際に見る毒の沼は全然違う。
 ゲーム上では黒のダメージマップだけど、現実はもっと毒々しい。黒に赤紫を混ぜた色してやがる。
 それに臭い。
 スピードワゴンじゃないが、ゲロ以下の臭いがプンプンする。
 臭いなのか何なのかわからないが目も痛い。
 タバコや排気ガスなんか可愛いもんだ。
 まだ足を踏み入れてないのにこのヤバさ。
 5分もいたら死ぬ。マジで死ぬ。この場所にいるだけで死ぬ。ヤバい。超ヤバい。

「ってもう行ってんじゃねえよ!」
「急ぎましょう」
「早めに洞窟を抜けきりたい。急げよ」
 言いたい放題言いやがって。
 ――よし、行ってやるよ!
 Bダッシュで行ってやろうじゃねえか!

「うおおおお! 痛え! 痛え!」
 バリッとした痛みが伝わってくる。もしかして靴溶けてんじゃね?
 Bダッシュとか無理! マリオすげえ!
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!


沼地の洞窟に頭から飛び込んだのは俺くらいだろうね。

「最短距離で行くからはぐれないようにしっかり捕まっとけよー」
「松明ありますよ?」
「松明なんざいらん。右手を向かって右側の壁に当てろ」
 真っ暗で二人の顔は見えないが半信半疑といったところだろう。
 いくら真っ暗で自分の足元くらいしか見えなくてもこの洞窟は難しくない。
 RPGの基本は左手の法則だが、このダンジョンは右手を使う。
 右手をピッタリと壁に当ててそのまま歩いていけば松明がなくとも攻略できる。
 ローラ姫は……いつか来るであろう勇者に任せておこう。
 姫は攫われてるうちが華ってもんだ。

「いいか、何があっても真っ直ぐ進めよ」
「わかった」
「モンスターが出てきた場合は?」
「踏め」

 暗闇に目が慣れるまではゆっくりと、慣れてからは普通の速度で洞窟内を真っ直ぐ進む。
 ゲームなら下に向かってるはずだ。
 魔法使いらしき奴には「どこに目ェつけとんじゃボケェ!」と恫喝し、メーダらしきものは踏んで難を逃れた。
 これぞ男塾名物直進行軍。たとえ飛行帽の家でも真っ直ぐ進んでやるぜ!

 平坦な洞窟かと思っていたが微妙に坂になっているようだ。
 テレビの前でコントローラーを握っているだけではわかるはずもなかったドラクエ世界。
 子供の頃、自分も冒険してみたいと誰もが夢見たことだろう。
 何の因果か知らんがドラクエ世界に飛ばされて、実際に冒険している俺はラッキーと言え――るわけねえよな。
 パソコンが無いし電波は届かないしコンビニも無いし捻るだけで水が出る蛇口も無い。そう考えると日本すげー。

 元の世界に戻ったら色々やりてえなあ。
 2ちゃんの溜まってるログ読んで、乗り遅れた祭りに参加して……そういやあのスレ落ちてないだろな。
 この経験生かして「もし目が覚めたら〜」に投下してみるのもありだな。
 待てよ、即レスを求めるならVIPもあり――って、どれだけ2ちゃんに依存してんだよ俺('A`)

「まさか本当にいけるとは……」
「言った通りだったろ?」
 松明一つも消費せずに沼地の洞窟、難なく攻略。
 沼地の洞窟程度、俺にしてみりゃ超楽勝。
 下押すだけのゲームと実際に歩くリアルドラクエとの違いはあるけど。

「リムルダールまでもう少しだな」
「モンスターも強くなってるでしょうから気をつけてください」
「強いモンスターってのは、今みやおうにボコボコにされてるアレのことか?」





 強すぎだろ。
 何だよあのラッシュ。どこの聖闘士だよ。

 もうやめて! リカントのライフは0よ!!
 などと考えてるうちに哀れリカントは海に転落。南無。
 ミヤ王だけで竜王フルボッコにできるんじゃね?

「待たせてすまん。少々てこずった」
「さ、行きましょうか」
「……」
 今更だが、俺はとんでもない連中と旅をしてるんじゃなかろうか。

リムルダールに向かう途中、リカントだの魔道士だの鉄のさそりだの出てきたが全部ミヤ王とゆう帝が一掃。
 早くキム皇と合流したいそうです。
 ま、俺は足手まといになるだろうし、楽なのはいいんだけどさあ。
 怖いよ。
 文字通りフルボッコにするミヤ王もだが、急所を的確に狙って一撃で殺すゆう帝には流石の俺もドン引き。
 キム皇はまともな奴でありますように。
 ……望みは薄そうだけどさ。

「キムこうは確かこっちに……。あそこで佇んでる奴、ではないよなあ……」
 俺の視線の先にはなぜか体育座りをして何か口ずさんでる男の姿が。
 こういう嫌な予感はよく当たるんだよなあ。

「おい、キムこう!」
 ほーら当たった。

「もしかしてゆうていとみやおうだすか? あて……あて、寂しかっただすよ〜」
 仲間同士の再会ってのは別に悪くはない。
 むしろ感動するシーンだとは思う。
 勉三を彷彿とさせる謎の方言じゃなければの話だが。

「ところで、この人はどちらさんっすか?」
「話すと長くなるのでひとまず宿屋へ向かいましょうか」
「でも、あて……」
「?」
「1ゴールドも持ってないだす……」
 だからあんなところで佇んでやがったのか。

キム皇のステータス
攻撃力:あたっ
防御力:あたっ
素早さ:あたっ
方言力:うわぁ…勉三さんの中…あったかいナリ…
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