DQ VI◆55fvMgOfnYの物語
第一話
酷く疲れた
今日は初めて髪が黒以外の色になった
なんでもこの学校の寮生には避けて通れないものらしい
青色の髪、アニメかゲームキャラのようだ
青にしたと言われ鏡を見た時、昔遊んだDQ6を思い出した
「(ターニアみたい…かな)」
言い忘れたが私は女だ
DQ6やりたいな〜だとか、明日は休みだから中古屋を回ろうだとか思っているうちに私の体は重くなり、眠りについてしまった
そして不思議な夢を見た
どんどん体が沈んでいく、それがベットを突き抜け、空を突き抜け、落ちていく、落ちていく、落ちていく…そして地面に…
叩きつけられる寸前で目を覚ました
かなりファンタジーな夢を見たものだと小さく笑ったが…
「ここ…どこ?」
どう見ても寮じゃないですどうもありg(ry
それはさておき、小洒落たペンションのような部屋に、窓からは子供の遊ぶ声と暖かい陽射しが注がれていた
服装は特に変わっておらず、お気に入りのタートルネックにジーパンそれと
「持ってたけど着てなかったような…」
それと黒のカシミヤのコート
ポケットの中には財布がちゃんと入っていた
とりあえず外に出よう…
受付には宿の主人が暇そうな顔をしてぼーっとしていた
「あの〜…」
主人は聞く耳を持っていないようだ
シカトですか、いい度胸だコノヤロウ
主人の前に進み出て言う
「す み ま せ ん !」
「はひぃっ?!」
だいぶ驚いたようだ、ザマァミロ
主人はきょろきょろし辺りを見る
私は目の前にいると言うのに
「空耳かぁ〜」
…こいつ殴っていいですか?
もうどうでもいいや、そんな時主人の後ろに鏡がかけられていた
高級感の漂う銀の装飾が施されているようで、ほこりはついていなかった
井戸のまわりで遊ぶ子供や緑に萌える木々が煌めきながら映し出されていたが──覗き込んだ私の姿は映っていなかった
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