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◆8fpmfOs/7wの物語

タロウの犬活躍
「ジロウ聞いて。僕の大冒険した物語を!」
「冒険なんてどこでしたのタロウお兄ちゃん」
「不思議な世界だよ。僕はそこでお嫁さんまで貰ったんだ!」
「わー! お兄ちゃん現地妻ゲットだね!」
「ジロウ、どこでそんな言葉覚えたの?」
「それでそれで、その世界でどうしたの?」
「いろんな人や犬に助けられていろんなところを冒険したよ」

「知らない人ばっかりで寂しかった?」
「はじめはね。でもみんな親切だったよ。それにね」
「それに?」
「しなのさんとヨウイチさんっていうこっちの世界の人もいたんだ」
「お兄ちゃんと同じようにその世界に行っちゃったんだね」
「そうみたい。それでね、僕はその世界で石版を手に入れたんだ」
「石版?」
「うん。それでおうちに帰れるっていう話だったからね」
「ふーん。不思議だねー」

「でもね。石版で帰れるっていうのはサクヤって人の嘘だったんだ」
「えー、悪い奴だね」
「しかもね、石版は魔王を復活させるためのものだったんだ!」
「怖いよぉ! でも、魔王って何?」
「凄く悪い奴だよ。僕が吠えたおかげで復活を阻止したんだぞ。えっへん!」
「お兄ちゃんすごいねー」

「それからみんなでサクヤと戦ったんだ。酷いんだよ。嘘ばっかりつくんだ」
「サクヤというよりヤクザだね」
「最初は仲間の振りをしていて最後に正体を現したんだ」
「飼い主に手をかまれるとはこのことだね」
「そうだね。……あれ、ちょっと違わない?」
「そいつはお兄ちゃんがやっつけたの?」
「やっつけたのは勇者さんたちだよ。でも僕も活躍したんだぞ」
「魔王は復活しなかったんだね」
「ううん。最後は魔王が復活して僕はこっちに帰ってきたんだ」
「なにそれー」
「あのね。魔王は勇者に倒されなきゃいけないんだって」
「うーん、不思議な世界は複雑だね」
「魔王が復活して全てが元通りになって僕も帰ってこれたんだ」

「ところでさお兄ちゃん」
「なんだいジロウ」
「お兄ちゃんが吠えなきゃもっと簡単に帰ってこれたんじゃないの?」
「駄目ー! それは言っちゃ駄目なの!」
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